地代や更新料が煩わしい借地権付きの土地の売却

大半の地主は先祖代々の土地を減らさないよう、土地にはアパートやマンションを建てたり、土地そのものを貸して地代として収益を確保してきました。
しかしバブルでの土地価格の上昇で固定資産税の負担が増したにも関わらず、地代は低廉のため収益性が悪いということが現状と思われます。
また、地代の値上げ・契約の更新など借地人と嫌な交渉もしなければならず、煩わしいと思っている方も少なくないでしょう。

底地の売却

一般的な地主は借地権を買い戻して土地を有効利用したい、または底地を売却して換金したいと思われているのではないでしょうか。

1.借地人に売却する
底地を借地人に買い取ってもらう方法です。借地人に売却すると、借地権が完全所有権となるため、売却相手としては理想的といえるでしょう。
借地人にとっても、更新時に更新料を支払ったり、建て替えや借地権を第三者に譲渡したい場合に承諾料を支払う必要が無くなります。
そのため、多くの借地人は買い取れる資金さえあれば底地を買い取りたいと思っています。
しかし、すぐに土地を買い取れるほど金銭的に余裕がある方はさほど居るものではありません。 借地人に購入意思や買い取り資金があることが条件となります。

2.借地人と共同売却する
借地権と併せて、第三者へ売却する方法です。流通性の低い底地のみの売却をする場合、売却先が極端に限定されてしまいますが、底地と借地権を同時に売却すれば、購入者は完全所有権の土地を買うことと同義です。
そのため、時価での売却が見込めます。売却先は一般購入者やマンションディベロッパーなどが考えられます。 底地と借地権を同時に売却すると、それぞれ単独で売却する時よりもお互いが合算した方が価値が上がります。
ただし、この場合、借地権と底地の割合に関して借地人と地主の間で揉めることが少なくありません。割合の基準となるものは国税庁が公表している路線価図に記載されている借地割合です。
それに更新料の支払いの有無・権利金授受の有無・借地権の残存期間などを勘定して割合を決めます。

3.借地権を買い、底地を完全所有権の土地に変えてから売却する
借地人から借地権を買い取り、底地を完全所有権の土地に変える方法です。資産価値が向上するため、その後通常の所有権の土地として売却することができます。
また共同売却のように売却金額を分配しなくて済みます。地主に買取資金があることと借地人の同意が必要となりますが、買い主を付けやすくするための一つの方法となるでしょう。